根管治療

歯を残すために―精密で丁寧な根管治療



「歯の神経を取ると抜歯になるのでは…」
「根の治療は痛いし、何度も通わなくてはいけない…」

そんな不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

市ノ澤歯科クリニックでは、できる限り歯を残すことを大切にし、丁寧かつ再発のリスクを減らすための根管治療を行っています。 最新の治療機器と技術を駆使し、患者さま一人ひとりの状態に合わせた適切な治療をご提供いたします。

 

根管治療とは？ その重要性について



根管治療（こんかんちりょう）とは、虫歯が神経まで達してしまった場合や、神経が感染・壊死してしまった場合に、根の中をきれいに掃除して薬を詰める治療です。
いわば「歯の根の中を治す」処置であり、歯を抜かずに残すための最後の砦とも言える治療法です。

感染を放置すると、根の先に膿がたまり、激しい痛みや腫れ、最終的には抜歯につながることも。
こうした状況を防ぎ、できるだけご自身の歯を長く使っていただくためにも、精密で適切な根管治療はとても大切なのです。

 

根管治療の流れ

根管治療は、歯の内部（根の中＝根管）にある「歯髄（しずい）」と呼ばれる神経や血管が細菌感染を起こしたときに、それらを取り除き、無菌的な状態にするための治療です。
根管はとても細く複雑な構造をしているため、正確で丁寧なステップを一つひとつ確実に行うことが重要です。

 

Step1：診査・診断（初診時）



まず、患者さまの自覚症状（痛み・腫れ・違和感など）をうかがったうえで、以下のような検査を行います。
これにより、歯髄が生きているか・感染の程度・根管の形態などを正確に把握し、治療計画を立てます。

視診・触診

打診・冷温診

レントゲン検査（デンタル・パノラマ）

 

Step2：抜髄または感染歯髄の除去



虫歯が歯髄まで進行していた場合には「抜髄（ばつずい）」と呼ばれる処置を行い、神経を除去します。
すでに神経が壊死している場合や、過去の治療で問題が起きている場合には、再根管治療として感染部位の再除去・洗浄を行います。
当院では表面麻酔＋電動麻酔器を使用し、できるだけ痛みの少ない処置を心がけています。

 

Step3：根管内の清掃・拡大・消毒（繰り返し処置）



感染源を完全に除去するため、根管の中を広げながら清掃・消毒していきます。

手用ファイルとニッケルチタン（Ni-Ti）ファイルを併用し、湾曲した根管にも対応

根管壁に残った細菌やデブリをしっかり除去

次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤で洗浄・殺菌

必要に応じて超音波洗浄器で薬液の浸透力と除去力を高める




上記の処置は1回で終わるとは限らず、症状や感染の広がりに応じて複数回かかることがあります。

 

Step4：根管充填（薬剤の密封）



清掃・消毒が完了したら、空洞となった根管にガッタパーチャポイントなどの専用の薬剤を詰めて密封します。
これを「根管充填」といいます。
この密封が甘いと再感染のリスクが高まるため、当院では根管の長さを正確に測定し、隙間なく充填することを徹底しています。

 

Step5：土台（コア）の構築



根の治療が終わった歯は脆くなりやすいため、補強のために「コア（土台）」を入れます。
当院では、ファイバーコアを第一選択として使用しています。

金属コアよりも歯根破折のリスクが低い

審美性にも優れ、変色しにくい

天然歯に近いしなやかさ

 

Step6：クラウン（被せ物）の装着



最後に、歯全体を覆う被せ物（クラウン）を装着します。 症例に合わせて、見た目・耐久性・咬み合わせを総合的に判断し、最適な選択肢をご提案します。

保険適用のCAD/CAM冠やメタル冠

審美性の高いジルコニアやオールセラミック

 

市ノ澤歯科クリニックの根管治療におけるこだわり

当院では「一度の根管治療で歯を長持ちさせる」ことを目標に、以下のようなポイントにこだわって診療を行っています。

 

ニッケルチタンファイル（Ni-Tiファイル）の使用



精密さとスピードの両立で、患者さまの負担を軽減します。

通常のステンレスファイルよりも柔軟性が高く、折れにくい

根の曲がりに追従しやすく、破損のリスクを低減

短時間で効率的な治療が可能

 

超音波洗浄による根管内の殺菌



特に再治療や難症例でその効果を発揮します。

根の複雑な形に入り込んだ細菌や細かなデブリも徹底除去

薬剤の浸透性が高まり、再発のリスクを大幅に軽減

手作業では届かない細部までアプローチ可能

 

ファイバーコアによる歯の保護と審美性



美しさと機能性を両立した補綴を実現します。

歯根破折を防ぎ、天然歯を長持ちさせる

金属を使わないため見た目が自然

金属アレルギーの心配もありません

 

歯を残すための外科的処置にも対応

抜歯を回避し、ご自身の歯を守るための選択肢

虫歯や感染が進行して、通常の根管治療（根の中を掃除して消毒・密封する治療）だけでは治癒が難しいケースでも、歯をあきらめる前に行える「外科的歯内療法（外科的根管治療）」という選択肢があります。
市ノ澤歯科クリニックでは、以下のような専門的処置に対応しており、患者さまの大切な歯をできる限り長く守る努力をしています。

歯根端切除術（しこんたんせつじょじゅつ）

通常の根管治療では届かない歯の根の先に膿や炎症が残っている場合に、その先端部分（根尖）を外科的に切除し、病変を取り除く治療です。
根管治療後も膿が引かない場合などに有効な手法です。



メリット

根管治療で治らなかった歯を抜かずに済む

歯の機能を維持できる

被せ物を外さずに処置できることもある




注意点

外科処置なので腫れや痛みが一時的に出ることがある

歯根の状態によっては適応できない場合もある

 

ヘミセクション／トライセクション（歯の分割抜歯）

奥歯などの「歯根が複数ある歯」において、感染がひどい根だけを切除し、健康な部分を残して活用する処置です。
奥歯の一部に感染や破折があるが全体は抜きたくない方、咬み合わせや補綴を考慮し、保存が有効な方に有効な手法です。



ヘミセクション：2根の歯（下顎大臼歯など）のうち、1根を除去
トライセクション：3根の歯（上顎大臼歯）から1つまたは2つの根を除去




メリット

全体抜歯よりも、咬む力や機能を維持できる

ブリッジなどの補綴治療に活用できる

部分的な治療で済むため負担が軽い場合もある




注意点

高度な技術が必要な治療

歯ぐきや骨の状態によっては適応外となる

残した歯の根も十分に清掃・管理が必要

 

まとめ｜根管治療は「歯を救う」大切な治療です



根管治療は、見えない部分を丁寧に、確実に処置していく必要があり、歯科治療の中でもとくに技術と経験が問われる分野です。
当院では、患者さまの大切な歯を少しでも長く使っていただけるよう、治療内容を丁寧にご説明し、ご納得いただいたうえで、質の高い治療をご提供しています。

「できるだけ歯を抜きたくない」
「他院で抜歯と言われたが、諦めきれない」

そんなお悩みがありましたら、どうぞ一度ご相談ください。
市ノ澤歯科クリニックでは、患者さまのお気持ちに寄り添い、最適な治療をご提案いたします。